上海国際電影節は、中国のメンツをかけた政府主体のイベントです。それがよくわかる例として、右の車両が挙げられます。これは映画祭のスポンサーのひとつであるキャディラックが提供した、映画祭専用車両です。ゲストや政府幹部の送迎に使われます。この車、よく見るとナンバーがSLSとしか書いてありません。正式なナンバープレートを持っていないのです。
なぜかというと、今回の映画祭のためだけに新車を調達しているので、政府当局も便宜をはかっているからです。まさに政治力の成せる業。
セレモニーでも、政府幹部がたくさん出席します。壇上に上がる人々の第一声はどれもお決まりの「各位領導、各位来賓・・・」(幹部の皆様、来賓の皆様・・・)というもの。ここでは映画の質や個人の才能よりも、政治的権威が重視されるのです。
役人仕事というのはとかく趣味の悪い、パッとしないものが多いです。上海国際電影節もなんだか垢抜けません。例えば記念品。
会場では映画祭グッズが売られているんですが、映画祭のマークが入った葉書に切手にカバンに水筒。なんとも言えないセンスです。案の定、誰も買う人もなく隅のほうにショーケースが置かれているだけでした。
10回もやっててこれなんですから、よほどお金が余っているんでしょう。
中国映画のプログラムにも政治的配慮が色濃く出ています。もともと中国の映画会社は各地域にそれぞれ作られた国策会社で、その地域の政治宣伝を担う役割を果たしてきました。今も基本的にその役割は変わりません。今回出品されているものも、北京、上海、長春、山東、新疆といった各地の映画会社と、人民解放軍の八一厂が、それぞれ新作を持ち寄ったというところ。多少の例外はありますが、映画の内容よりも政治的なバランスによって上映作品が決まっているように見受けられます。
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