第19回東京国際映画祭特集 > ティーチイン・レポート@『家庭教師』
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ティーチイン・レポート@『家庭教師/伴[イ尓]高飛』
[2006.10.22 東京都写真美術館にて]

李虹監督(右)
10月22日、東京国際映画祭の中国新鋭監督特集で、『家庭教師/伴[イ尓]高飛』が上映されました。
上映後、ゲストとして来日した李虹監督とのティーチインが行われ、作品の裏話や中国映画の現状などを語ってくれました。


来日は何度目?
これが3度目です。最初は愛知国際女性映画祭でこの『家庭教師』を上映したときで、2度目は昨年の東京国際映画祭で『呪い』を上映したときです。
愛知国際女性映画祭での上映は、この作品のワールドプレミアだったんです。日本とはとても縁があるようですね。

■この作品を改めて見直して、いかがですか?
『家庭教師』は私が23歳のときに初めて撮った作品です。これは成長をテーマにした物語で、主人公の青年や少年も映画の中で成長していきますが、同時にこの作品を作りながら私自身も成長しました。
あまり見直すことはないのですが、久しぶりに見ると、若いときに撮った作品ですから良い所も悪い所もたくさんありますね。

撮影で苦労したことは?
今思うと、みないい思い出になっています。ただ、一番苦労したのは資金面ですね。200万元という低予算でしたので、大変でした。この作品の撮影や美術のスタッフは、みな私の同級生なんです。彼らにはとても感謝しています。

資金はどこから? 上映後の反応は?
資金はすべて上海電影制片厂から出ています。企業スポンサーはいません。
興行成績について私は詳しい数字は聞いていないのですが、小さい劇場で公開される芸術映画ですから、それほど多くはないと思います。ただ、映画を見た人たちからは、高い評価を受けました。

『呪い』とはずいぶん雰囲気が違いますね。
実を言うと、自分でも『呪い』のようなサスペンスを撮ったことに驚いています。というのは、あれは普段の自分の性格とはあまりにも異なる内容だからです。
『呪い』の前に『白黒』というショートフィルムを撮っているのですが、それもサスペンス調なんです。それが『呪い』のきっかけになりました。
女性監督というと児童映画や女性を主人公にした映画を撮るのに向いていると思われがちですが、私はそういう枠にとらわれない作品を作っていきたいと思っています。

あの、ここで私からちょっとこの映画についての裏話をしますね。
実はあの映画に出てくる少年を演じた子役は、二人いるんです。と言うのは、双子を起用したんですよ。子役に双子を使うのはとても有利なんです。一人が寝てる間はもう一人を使うことができますから。映画の最後に、駅のホームいる少年が列車を見送るシーンがありますが、あれは一発撮りしかできなかったので、一人は近いカメラで、一人は引いたカメラで、同時に撮影しました。おかげで予算も節約できて助かりました。

中国では女性監督は多いですか?
私が学んだ電影学院では監督科の学生は10人で、そのうち女子は2人だけでした。今はもっと増えています。
この話題については言いたいことがたくさんあるんですが、時間の制約があるので(笑)。ただ、中国では職業としての監督をする上で、性差はありません。

監督一家に育ったそうですが。
父も兄も映画監督で、私も小さいころから撮影現場を見てきました。映画監督になったのは、私のほうが彼らよりも上手くやれるだろうと思ったからです(笑)。でも、今は彼らのことをとても尊敬しています。いい映画を撮ることは、本当に難しいことだと分かりましたから。

この映画に原作はあるのですか?
原作はあるにはあるのですが、1000文字程度の散文なんです。ですから実際には脚本家の方に書いてもらった話です。ただ、書いてもらった本が私の撮りたいものとはだいぶ違ったので、結局はほとんど私が書き直しています。出来上がった作品は脚本家も満足してくれたので、ほっとしました。



『家庭教師(原題:伴[イ尓]高飛)』
1998年上海電影制片厂
*スタッフ*
監督:李虹
脚本:傅星
撮影:黄煉
美術:李卓芸
音楽范涛
録音:宋芹
*キャスト*
高峰
王思聖
謝潤
大学に残って教員になることを夢見ていた学生・朱波は、実習で不合格となってしまい、将来に絶望していた。そんな時、クラスメートの代役で臨時家庭教師を頼まれる。
教えることとなった小学生・芒芒は、留年してしまうほど成績の悪い子で、親からも叱られてばかり。常に自信がなく、クラスでもいじめられ、昆虫と戯れるのを唯一の生きがいとしていた。
言うことを聞かない芒芒に愛想を尽かす朱波だったが、責任感から彼を見捨てられず、また芒芒も徐々に彼を頼るようになる。やがて朱波の指導で芒芒は自信をつけはじめ、そのことで朱波自身も生きる目標を見出し始める。

第六回中国大学生電影節最優秀新人賞、第9回中国"十佳影片"上海影評人賞特別賞、第13回Udine Far East Film Festival観客賞など数々の賞に輝き、中国国内では非常に優秀な児童映画と称されている李虹監督のデビュー作。

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